一生夏季休暇

読んだ本の感想(ネタバレしかない)、海外サッカー追っかけ、雑記。

【感想】十二国記『白銀の墟 玄の月』| 泰麒、幸せになって。ていうか驍宗様マジで一生のお願いだから泰麒を幸せにしてあげて。

読みました。終わっちゃった...

まず、感想の前にどうでもいい話しますね。

十二国記ハマってから、ちょいちょい十二国記成分補給のためにpixiv見てたんですよ。創作イラストとか漫画とか、みなさん上手いなあ〜って思いながら。

一応ネタバレ回避はしようと思っていて、白銀の墟に直接言及しているものは避けていましたが、単純に戴主従を描いているものとかは普通に見て楽しんでいたんですよ。

驍宗様と泰麒の仲睦まじい創作いっぱいあるじゃないですか。ああ、白銀の墟を経て、この二人もやっと落ち着いて過ごせているのかな。白銀の墟では戴主従のそういう姿がきっと描かれているんだろうな...
そう期待を膨らませていたのです。

白銀の墟 四巻の後半部分を読むまでは。

読み進めるごとに、不安が募りました。

え、あとこの厚みしか無いよ?これで話終わるの?

まあおそらく最終巻なんだから、話はうまく纏まるんだろうな。

でも、戴主従のほのぼの後日エピソードとか、入れる余地残ってないんじゃない??

 

エピローグが欲しかったなあ...!!だって、驍宗様と泰麒、ほぼ二人の会話してないよ??

7年振りに会えたのに...まあ二人とも満身創痍でそれどころじゃないんですけどね!

 

というか、創作の皆さんの妄想力がすごいのか...!公式からの供給が少ないと創作が広がるってことですか?それか私が読めていない先行配信短編で描かれているんですか...!!

 

すみません、前置きが長くなりました。

白銀の墟 玄の月。ほぼほぼ苦しい展開で、驍宗様も泰麒も、ハッピーエンドになれるのか。ハラハラしながらひたすら読み進めていました。

本作の主人公といったら泰麒なんでしょうけど、泰麒視点の描写が少ないんですよね。その上かなり冷ややかな態度取っているので、心情が読めない。逆に李斎視点の展開は多くて、彼女が裏主人公って感じでしたか。そして驍宗様の心理描写は泰麒よりも更に少ない。ていうかほとんど後半まで出てきてなかったですね。

 

とにかく物語を読み進めたくて、なのであまり考察はできていません。琅燦が何者なのかとか、耶利の主公は本当に琅燦なのか?、泰麒の角はいつ治ったのか...等々。色々考察記事が上がっていたので、そちらも楽しませていただきました。

これから2周目、3周目(できるか?)と読んでみて、新たな気づきを自分の中でも得られたらと思います。

やはり私は泰麒を応援していた身ですので、泰麒の苦しい状況が続く本作、読みながら辛かったです。言うて蓬莱から戻ってきたばかりで、李斎とも離れて白圭宮に乗り込んで...
阿選には斬りつけられ、叩頭させられ、しまいには人を自ら殺傷するんですよ...

私は中古で買ったので知らなかったですが、一巻の帯にはこんな文章が書かれていたそうです。

「驍宗(あなた)こそ、泰麒(わたし)が玉座に据えた王。だからー」

直接この台詞は作中に出てきていませんが、このキャッチコピー、素晴らしすぎません...?

「だからー」

よくよく考えてみれば、泰麒が驍宗様に誓約して登極してから半年で、二人とも行方不明に。そこから7年もの間、お互い会えていないんですよ。わずか半年しか一緒じゃなかったのに、この台詞が出てくるって。

驍宗様の弾劾が決まって、もう打つ手がないと耶利にこぼした時も、

「ー後悔はしていません。驍宗様が王で良かったと、それだけは揺らがない」

長年の付き合いでもなく、こうも断言できるのって、やはり王と麒麟の関係性なのでしょうか。

自分は不甲斐ない麒麟だった、と。6年以上蓬莱に流されて、その間常世での記憶をなくして何もできなかった。むしろ蓬莱では多くの人を犠牲にしてしまった。自分の意志ではないにしても。

阿選に叩頭させられた時、正頼を救出しようと門番と対峙した時。

蓬莱での人々のことを泰麒は思い出しているんですよね。抉られるような額の痛みも、蓬莱で飛び降りて犠牲になった人達に比べれば。

人を傷付けてまで突き進む勇気を、自分を受け入れて、見守ってそして故国への執念を見せてくれた広瀬の意志の強さに重ねて。

広瀬のことを、泰麒がちゃんと心の中に留めていたことが嬉しかったです。魔性の子からでいうとすごく時が経っているような気がしますが、実質1年も経っていないですからね。決して楽しい日々でもなく、与えた犠牲も大きかったけど、それでも広瀬と出会えたことは泰麒にとっては無駄ではなかった...
(魔性の子、再読時はすごい感情で読めそうだ...)

 

そんな泰麒、弾劾の場で驍宗様もろとも死のうとするわけですよ。叩頭して、驍宗様が主だと示して、阿選に討たれて終わる。そうすれば天命が改まって、阿選も王には選ばれない。

この時は泰麒、人を殺傷することも考えていたのか。いや、その場で考えたのか。

側に護衛として立っていた者の剣を奪って突き立てて、驍宗様の元へ。この意志の強さよ。そこからの、驍宗様への叩頭。

「長い間、申し訳ありませんでしたーー主上

泰麒が謝ることないんだよおおおおお!!

驍宗様もさ、大きくなったな。じゃないんだよ!!

泰麒めっちゃ辛い思いして頑張ったんだからああああ!!!

そこは抱きしめてあげてええええ!!(誰)

 

その後泰麒、転変してすりすり。かわいい。

角は治ったんだね、よかったね。

 

江州へ渡って、延王延麒がお出迎えして。延主従大好きな私だけど、この時ばかりは早く戴主従を!!もう残りページ少ないんだから!!二人の再会をばもっと!!と叫びまくっていました。

 

結局泰麒は蓬山へ。後遺症残るてなんやねん。穢瘁の後遺症ってどんなよ...泰麒は幸せになれるんですよね!!?

このシーンは李斎語りですけど、面白かったのが蓬山で玄君(西王母だっけ?)に会ったけどあいつらつまんねーことしか言わねーのって(笑)

言い方全然違いますけど、あんなに黄昏の岸でお伺い立てに行ってたのに、やっぱあいつら使えねーなって思ったんだね、李斎も。天命について教えてはくれるけど、助けてはくれないもんね。黄昏の岸で泰麒が李斎に慶を出ようと言った時、李斎は玄君にお伺いを立てましょうと言ったけど、泰麒は初めから不要と言っていましたもんね。天命はあるけど、むしろだから麒麟も存在している訳だけど、忖度する必要はないよね。意志の力でどうにかなる。反動は大きいけど、それほどに突き動かす意志があれば...

紛れもない戴の血脈。

驍宗様にそう言わしめる泰麒...本当に幸せになって。てか驍宗様、幸せにしてあげて!!!

 

最後のページの戴史乍書、それなりの量があって、乍王朝が長続きしたんだなあ...としみじみすると同時に、ああ、終わっちゃったな、という感情が込み上げてきました。雁も慶も史書の挿絵なかったのに。なんか映画のエンドロール終わりの本当の最後に一枚絵が差し込まれるような、あの感じ。終わり方としては好きなんですけど、あれ寂しさMAXになりますよねえええ!!

 

十二国記の好きなところであり残酷なところは、王は寿命で死ねないことですよね。王朝が終わるということは、失道なり何かしらの国の傾きがあるということ。帰山で利広が言っていましたが、数百年と長く続いた王朝は、悲惨な最期で終わることが多いと。

長く続いて欲しいけど、悲惨な終わりは迎えてほしくないのですよ...
あの戴史乍書の厚みって何年分なんでしょ?せめてその間はずっと幸せでいてくれ...

そして短編集。短編集を、何卒...!!

【感想】十二国記『黄昏の岸 暁の天』| 泰麒を訪ねて虚海越え。他国王・麒麟との掛け合いが尊いのです...

泰麒、おかえりなさい...!!

と喜びたい気持ちもありながら、戴の状況はまだ何も良くはなっていないので...複雑な気持ちのまま読み終えました。

もう手元には白銀1巻がありますので、早く続きを読みたい気持ちが溢れております!

それにしても、黄昏の岸が2001年発刊ですかね?で、白銀が2019年でしたっけ?

ファンのみなさんはよくぞ待たれておりましたね。。

私は全シリーズ揃った段階で読み始めましたから、黄昏を読み終えてすぐに白銀を読み始めることができますが。そこに18年分の時間があったのかと思うと、、心して読まなくてはいけない感じがしますね。

 

泰麒が蓬莱へ再び流されてしまった理由が明らかになったり、魔性の子での出来事がこちら側での出来事とリンクしたり、今までのストーリーがより厚みを増してくるように感じる一方で、天とは何か、天鋼が定める理とは何か...十二国記の世界のシステムに対しての疑問は深まってきました。。

泰麒を蓬莱から連れ戻す策が天の理に反するかどうかを蓬山の玄君へお伺いを立てに行きますが、なんだか回答がパリっとしないんですよね。これはOK、これはダメ、前例がないからどっちに振れるかわからない...
ついには天鋼にはこう書かれているけど、こうとは書かれていないから。みたいな穴を突くような方法を言ってきたり。

天の理ってそういうもん?システマチックに判断しているだけ?

まあ結局のところ、天は必ずしも助けてはくれる訳でもなく、自分自身でなんとかしなくてはいけない、ということなのか。。

この辺りはもう少し、ゆっくり読み解いてみるしかないですね。。

 

なにはともあれ、泰麒が帰ってきました。

李斎の必死の懇願が陽子に響き、なんと慶・雁をのぞいて5国が協力してくれることに。

基本的に他国への干渉はしないのが流儀であった十二国記。尚隆が陽子の登極に手を貸したこともあったし、今回は陽子が戴を救いたいと立ち上がり...
やはり、少し通常と感性の異なる胎果ならではの発想なのですかね。

最初意外だったのが、尚隆が陽子からの協力願いを渋るんですよね。尚隆なら快諾するのかな、となんとなく思っていました。

でもまあ、慶はやっとスタートできたところ。本当に他国に構ってる暇はないんでしょうね。尚隆だって最初は自国に専念していたでしょう、今でこそ他国への援助もしていますが、まずは自国が立ち行かない状況では、という思いもあるのでしょう。

結局、陽子の押し切りに負けるような形で泰麒捜索に手を貸してくれることに。やっぱり尚隆頼りになる〜!!

そうして、お初の氾主従も登場しましたね!尚隆を猿と呼ぶ天敵の氾王。そして六太に姐ちゃんと呼ばれてた氾麟ちゃん。尚隆を呼び捨てにするし、なんだかマイペースな言動がかわいい!(そして挿絵の氾麟ちゃん、すっごく美しい!!)

崑崙を探してくれていた奏・恭・才の3国は描写はなかったですが、協力してくれていたようで。ここまで読んできていると各国の主従顔がわかるので、国どうしの繋がりが見えるとニヤニヤしてしまいますよね。珠晶ちゃんとかは快諾してくれたのかな?戴と交流はなさそうだけど、利広が丸めこんだりしてくれたのかしら。

あまり各国の国どうしの付き合いが見えなかったところもあったので、こうして国を超えた交流を見られたのは本当に嬉しい。流儀なんて知らん、私はこれが見たかったのだ。

陽子と泰麒、この現代蓬莱胎果組の掛け合いも良かったです...!同じ出身地、同年代ということで少し気の緩んだ感じ。今はお互い余裕のない状態だけど、それぞれ落ち着いた後にも交流はぜひ続けてほしいなあ。

はあ...かなり駆け足で読んでしまったところもあり、感想がとっ散らかっている...!!しかし早く続きが読みたい。

白銀はほぼ戴メインの話が進むだろうと思うのですが、他国との交流も描かれるのかな?陽子や尚隆も絡んでくるストーリーだと嬉しいなあと。

大人泰麒とみなさんの掛け合いがもっと見たい〜!!

特に泰麒と尚隆って、あの即位に際して尚隆が酷い芝居打った時以来なのでは?泰麒は尚隆のこと怖い王だと思っていないかしら。。

あとは泰麒と景麒も前みたいに仲良くなれると良いね!景麒が幼泰麒とのギャップにまだ戸惑っていたから。。

それでは、白銀読んできます!!

 

【感想】十二国記『華胥の幽夢』| 潭翠になって泰麒を陰から見守りたい。やんちゃされて困りたい。

5冊振りの生泰麒!

東の海神、風の万里上下、丕緒の鳥、図南の翼を経て!お久しぶりです泰台輔!

そんなウキウキ気分で読み進める本短編集ですが、中盤以降でね、、やられますよ心が、、

ええ、4編目の華胥ですけどね。すっごい胸の中抉ってくるというか、、耳に痛すぎて足早に帰山読み進めました 笑

同じく短編集である丕緒の鳥は、どちらかというとモブの話(言い方)というか、メインストーリーの存在を仄かに感じるお話でした。

ですが本作は、がっつりメイン!!泰麒も陽子も楽俊も尚隆も利広も出るし、その他作品での登場人物もたくさん出てきますですね!

では、今回も1編ずつネタバレしかない感想を。

 

①冬栄

風の海〜後の話。泰麒は泰王に命じられて漣国へ。このところ驍宗は忙しそうで、かたや自分は幼すぎて何もできない。そんな苦悩を抱えた泰麒が、温和でちょっと抜けてる廉王との関わりで、自分の役目が何であるかを気付かされる...

風の海では台輔になった後はそこまで書かれていなかったので、じいやの正頼とか、護衛の潭翠とか、周りの面子との掛け合いが初めて見られました。

潭翠はあまり感情出さずにじっと護衛している様子ですが、正頼のじいや感!!泰麒のこと可愛くてしょうがないだろうなあ...
現に、台輔はおねだりが上手だから〜みたいなことを言ってましたね。

あのね、正頼... なんて言われちゃったらもう!!

そして初登場の漣。凍てつく厳しい寒さの戴とは対称に位置する漣は、冬でもお花が咲く温暖な国。客人が来てものんびりマイペースな廉王。沖縄のウチナータイムみたいな感じでしょうか。(官吏はマイペースに振り回されて大変そう...)

そんな王っぽくない?廉王から、お役目についてヒントを得る泰麒。王を見守ることも立派なお役目ですよ。

充足感あふれる足取りで戴へと帰った泰麒にサプライズ!!王のお近くに住まわせてもらえることに!!泰麒の嬉しさ丸出しきゃっきゃ感が可愛いですわね!!

そして驍宗さまも言うのです。自分だけだと一人で突っ走ってしまうから、あれは何これは何と泰麒が話しかけてくれることが抑止力になるんだよと。

これでもう寂しい思いをしなくて済むね泰麒!と言いたいところですが、おそらく次巻でそんな平和なこと言ってらんない状態になるんですよね、噂で見たくらいですが。。

個人的に、蒿里って驍宗だけが呼ぶのが好きなので、私も泰麒を字で呼ぶのは控えさせていただいてます(勝手にせい)

 

②乗月

祥瓊の故郷、芳のお話。民を苦しめ続ける峯王を討った月渓。普通は王を討った主導者が仮朝を建てて王座に座るのだが、月渓は恵州候の位を捨てずに州へ戻ろうとしている。月渓以外に王座が務まる人などいないのに...

風の万里では祥瓊の親を討った挙句に彼女を追放したり、悪役イメージしかなかった月渓さん。このお話を読んで印象ががらっと変わりました。

何も峯王憎しで討った訳ではなく、自ら王の道を外していく王の姿を断ち切りたくて討ったよう。尊敬の念があったからこそ、堕ちていく姿を見るのは辛かったのでしょう。月渓自身が国を建て直したいとか、峯王の後釜に着くとか、そんなことは全く考えていなかった。王を討つという大逆を犯した自分が、王座に着いていいはずがない、と。

え、月渓めちゃくちゃ良い人じゃないですか。大逆はたらく人って、俺が王を討って王になってやる!みたいな野心家なイメージですが。

月渓は色々考えて、考え抜いた末に、本当に最後の選択肢として王を討つことを選んだような。

月渓なら良い王になれると思うよ。って、側近の者もちゃんと分かっているよね。

と、月渓の話が長くなりましたが、今回のお話では月渓を訪ねて慶の使いがやってくるんですよね。青辛って誰やねんと思ってましたが、熊さん将軍の桓魋でしたか。人の良い感じが溢れてますよね。月渓の気持ちもうまく汲み取りつつ。

桓魋が陽子のことを、主上は良い人ですよって言ってたのが良い!!有能とか優しいとかそういう言葉でなく、良い人って表現がいいですね。(まあ本当に有能とか言うにはまだ経験が足りないんだろうけど)

さらにもう一国、恭も話の中で登場しますね。祥瓊が恭の王宮で宝物を盗んでしまったことに対して、減刑を求める書状を月渓も陽子も出していたんですね。

それで供王珠晶は、

一人の小娘のために時間なんて割いてないで、芳も慶も自分の国を再興するのに専念しなさいよ!減刑なんてしないわよ!一生国外追放よ!恭に来たりしたら追い返すんだからね!と。

(つまり謝罪に来る必要もなし。慶で好きにやってればいいわよと)

ええ...珠晶さん...男前...

 

③書簡

月の影後、風の万里前の時系列でしょうか。慶で王やってる陽子と、雁で大学生やってる楽俊の文通。つっても鳥だけど。

乗月では良い感じに王になれてる陽子が描かれていましたけど、書簡での陽子はそれより前。国のことも政治のことも分からなくて、官吏にも景麒にも呆れられて...って悩んでいる時ですよね。

楽俊には気丈に振る舞っている陽子がなんだか切なかったです。まあ嘘は言ってないんですけどね。

楽俊も充実した学生生活を送っているのは事実だけど、悩みのタネもあるでしょう。現に半獣だからといって差別されたり、将来を不安に思ったり。でも巧にいた時よりは本当に恵まれていると彼は言うんですよね。。

大学にお友達もいるようだし、たまに延王延麒がお忍びで遊びに来たりしてるみたい(笑) それめっちゃ楽しそうじゃん...その様子をば...ぜひに...

④華胥

表題作。麒麟が失道に陥った才国。理想を追い求めて官吏とともに突き進んできたはずなのに、どうして国は傾くのか。そして王の父が何者かに殺されて、弟も行方不明に...

一番長いお話でした。そしてずっしりと心に響いてくるような重さ。

 

「責難は成事にあらず」

 

人を責め、非難することは何かを成すことではない。口で非難するのは簡単だよ、じゃあお前がやってみろよってことですね。

こればかりは現実世界と重ねて考えてしまいますよね、、思い当たる節がありすぎる。

仕事であの人はどうとか会社の体制がどうとか文句は言えるけど、じゃあお前だったらどうする?と言われたところで、答えに詰まるか机上の空論を並べるかだし。

イムリーな話だと、サッカーワールドカップPK戦に負けた日本を非難する声とかには若干思うところはありましたよね。じゃあお前がやってみろよと。

でもこれは決して非難することが悪いことという訳ではなく、非難するならそれなりの覚悟や考えを持ちなさいよということかなと。

結局采王は亡くなってしまう訳ですが、最後に王の叔母(ですよね?)にあたる慎思の字が明らかになります。黄姑(こうこ)。

なんか既視感がある...ような...?

風の万里をめくってみて発見、鈴が梨耀から逃げて采王に助けを求めた場面。黄姑は采王の字でございました。

ということは、この華胥のお話の後、慎思が王に選ばれたのですね!采麟ちゃんも大丈夫かな〜と思っていましたが、ちゃんと次の王が見つかってよかったね。

 

⑤帰山

国が傾いていると噂の柳。視察に訪れた利広は、30年振りに風漢(尚隆)とばったり出会う。お互いの素性は敢えて口には出さないけれど。奏と雁、600年と500年という寿命の長い国だからの不安や苦悩、国を長く治めることの難しさなど...一国を担う二人だからできる政トーク

柳が危ういことは風の万里でも言及されていたし、丕緒の鳥の短編の一つに柳が舞台の話がありましたね。尚隆が劉王はすでに王権を放棄してるんじゃないかと指摘していましたが、まさにその通り。死刑の可否で苦悩する官吏をよそに、判断を全て投げ出していましたからね。

王朝の存続について、いくつか節目があると言う話。第一の節目で10年、第二の節目が30〜50年。第三の節目はなぜか分からないが300年(利広調べ)。300年の節目で倒壊する王朝は悲惨な倒れ方をするそうですが、、どうなんでしょう。終わりが見えないということは、かなりストレスにもなり得るのではと思いました。

我々は仕事には定年があるし人生には寿命があるし、それが近かろうが遠かろうが必ず終わりがあることは確実ですよね。でもそれが無いとなると、なんかどう生きればいいか分からなくなりそうな気がします。

風の万里でしたっけ?何もやることがなくなるほど平和になったら、国を滅ぼしてみたくなるかも、みたいなことを尚隆も言ってましたよね。

しかも実際300年の節目の頃、碁を打って稀に勝った時に碁石を一つ掠め取って集めていたと。83まで数えたけど、アホらしくなってやめたと。

その前に利広が、延王なら博奕を打って唐突に国を滅ぼすだろうと言うんですよね。例えば、滅多に会わない相手に100回会うことを賭けて。これを踏まえて尚隆が碁の話をしてきたということは、、100個碁石集めたら国滅ぼしていたのかい?!

(この話は200年前だと尚隆は言っているので、計算すると治世300年で第三の節目だったと!他の人の考察で知りました!)

でも本当に、いつ魔が刺して国を滅亡に追い込むか分からないのが怖いですよね。だって滅びなければ永遠に王朝続くんですから。悪政とかで傾きそうにない両国だからこそ、逆に怖い...
二人とも笑顔で国滅ぼしそうだもん...サイコパス...

と、いうわけで全5編を気の向くままに心の声を書きました。実際はこれ早く描き終えて続き読みたいーー!!の一心でした(笑)

私個人的には、陽子の周囲からの評価が上がっていて嬉しい限りです。利広も褒めてくれていたね。

それでは、締めの言葉が思い浮かびませんが、次巻が気になるのでこの辺りで。本作もとっても楽しませていただきました!!

 

 

 

 

 

 

【感想】十二国記『図南の翼』| 12歳の小生意気娘と侮っていてすみません。。

やってきました、図南の翼。

いつものメンツが出てこない、番外編のような位置付けなのかしら。

ただ、珠晶の評価含めてこの物語はめちゃくちゃ人気ですよね?そんなイメージがあります。

個人的にはやはりメインストーリーどっぷり好きタイプなので、本作での感情たかぶり度はすこし落ち着いていたかな。

ただ、とっても読みやすかった印象。気づいたら終章迎えてたみたいな。

過去作を読んでいる分、十二国記の常識がすでにインプットされているからなのか、あまり政治の話とか難しい部分が無かったからなのか。

 

確かに、ストーリーは単純明快で分かりやすかった気がします。

王不在で荒廃する恭の国で、商家の裕福な家庭で育った12歳の少女珠晶が、偶然出会った黄朱(黄海で妖魔狩りをする浮民)の頑丘、謎のイケメン利広と共に、王になるため危険な黄海での旅を経て昇山する話。

珠晶はなかなか生意気というか小賢しいというか、十二国記の登場女性として陽子を見慣れていたので、ちょっと苦手かも...というのが第一印象でした。(風の万里でちらっと登場したときも)

天命とは言え、12歳の小娘を王にしちゃうって大丈夫??

(まあでも王がいるってだけで荒廃は抑えられるからいいのか...)

結局その後90年くらい?は王でいますからね、珠晶ちゃんも。本作では描かれていないですが、やはり年少で即位した分苦労もたくさんしたんだろうな...と思うと、愛らしく思えてくるのは歳のせいでしょうか。

それにしても、供麒に出会い頭でビンタ喰らわすのは大物すぎる。

なんで私が生まれた時に来ないの、大莫迦物っ!って。

女王×麒は慶もそうですけど、全然タイプが違うから面白い。

でもたしかに、王気っていつ宿るものなのか。生まれた時から備わっている訳ではなく、後天的なもの...?珠晶でいえば、彼女自身が昇山してやる!って決意をしたときなのか。(王気が元々備わってるから昇山の決意が生まれたのか...)

それでいうと、特に自分で決意した訳ではない尚隆や陽子のような胎果の王とか、前景王(予王だっけ?)は絶対昇山するタイプじゃないし、そのあたりは王気がいつ宿ったのだろうか。。謎だ。。

 

昇山の途中で幾度となく珠晶が訴えていたことで、どうして黄朱や剛氏は自分たちの持つ知恵を雇人以外に教えてやらないのか、とありましたね。ケチらないでみんなが生き延びるために教えてあげればいいじゃない、と。

子供の発想なのか、お人好しの考えなのか。私ら読者としては、剛氏も連れずに黄海甘く見てるやつなんてさっさと脱落してしまえよ、と思ってしまう訳ですが。

珠晶も旅を進めるにつれ、人を犠牲にしないと生き延びられないことに気付いていくのですが。それでも、可能な限り人を助けて、鼓舞して進んでいく。頑丘と喧嘩して進路を別った後に、室季和に見捨てられた従者の面倒をきっちり見ていたのは本当に素晴らしい。

このリーダーシップというか、上に立つ者の資質が垣間見える感じ。こういうところが王なのかしらね〜と一人感心しておりました。

 

そして本作は懐かしの人が出てきましたね!

犬狼真君こと、更夜。

東の海神で斡由が討たれてから、黄海に戻っていたんですかね...昇山する者にとっての守護神的な感じで讃えられていましたね。連れている妖魔はきっと「ろくた」なのでしょう...
真君に助けられたこともそうですし、そもそも頑丘や利広という強烈助っ人がいたことが既に王の器。

頑丘は無愛想で珠晶ともしょっちゅう喧嘩してましたけど、お供としては本当に頼り甲斐があるし、なんだかんだ珠晶のことも認めているというか。珠晶登極後はどうしたんでしょう?官吏になったのか、それは性に合わないと断ったのか。どちらにせよ、珠晶との関係は変わらないでいてほしいなあと。

利広はこの掴めない感じがいいですね!最後に明かされますが、奏の宗王の次男坊で?放浪癖があって宗王や兄妹からもこいつは...みたいな感じで諌められていて?でもちゃっかり恭国との繋がりをゲットしちゃうあたり出来る奴なんですよね。。でもこの食えない人となり、敵か味方か判別しづらくてめっちゃ怖くないですか?私が珠晶だったらかなり警戒してしまうわ...イケメンだけど。

 

タイトルの「図南の翼」

本当に存在する故事成語のようですね。

大きな事業を遠い地で成そうとする志や計画のこと。

まさに遠い恭の地から南路はるばる昇山を目指してやってきた珠晶たちの旅であり、しっくりくるタイトルだなと思いました。

幼い珠晶の登極後の話も読んでみたいですし、他の国とのお話もあればいいなあなんて。

まずは利広が身分を明かした時の珠晶の反応を見てみたい(笑)

さすがに供麒に対してのようにビンタはしないでしょうけど、なんで言ってくれないのよ!と詰問していそう。

そんな後日談もぜひ覗いてみたいですね。

 

【感想】十二国記『丕緒の鳥』| 一言も出てきてないのに尚隆を感じられるなんて。

短編集、でした。

あらすじ見てるといつものメインキャラクターが出てこない風味だったので、読み飛ばそうかなとかも思ったのですが、刊行順遵守組(?)としてはやはり読むべきよなと。

結論、いい。

4話とも主人公は官吏だったり民だったり。言ってしまえば地味な風景が続くのですが、その背景には私の良く知る十二国が垣間見えるのです。なんか奥ゆかしくて萌える。

そんな短編を1話ずつコメントさせていただきたく。

丕緒の鳥

陽子が登極するかしないかくらいの慶国のお話。よー分からん陶器でできた鳥(陶鵲)を撃ち落とす儀式(説明が適当すぎる)を管轄する丕緒という人物が、新王(陽子)登極に合わせて陶鵲作れと言われるものの、乗り気になんねーなとぶつくさ言ってる話です(合ってる?笑)

無能な女王が続いて荒んでいる国情がすごく伝わってくるし、射儀そのものの意義に対する不信感、どうせ新女王も政に興味なく民を棄てるような奴だろうという諦めのような空気、を丕緒がぷんぷん匂わせているわけですが。

新王に何か感じてもらいたいと考えて新作の陶鵲を作って披露して後、陽子は丕緒を呼び出して話すんですよね。

どう言えばいいか分からないが、胸が痛むほど美しかった、と。丕緒の想いが伝わったのかな、というシーンです。

このちょっと不器用な、でも真摯な伝え方が陽子らしくていいですよね。好き。

 

②落照の獄

これはひたすら考えさせられる話でした。

柳国の話なので、風の万里で国が傾き出しているのでは...と延王延麒が言ってたくらいの知識しかなかったので、余計な感情なく(笑)没頭しておりました。

端的に言うと、死刑ありかなしか論ですね。

二十数もの犠牲者を出した凶悪殺人犯。柳では死刑はするなとの王のお達しがあった。しかし民意は死刑を求める声が圧倒的。ついには王も(死刑にするしないは)官吏の判断に任せるよと放任なさる。

舞台は架空の十二国ですが、死刑の是非が本当に難しいということはどこでも一緒。これ答え出ないんだよなあというモヤモヤを感じながら、結局最後もうーんというスッキリしない感で終わりましたね。でもこれがリアルですよね。。

 

③青条の蘭

お国を救うお薬草を王に届けるお話。(ですよね?)

このお話のズルいところは、最後の2ページ?くらいのところまでどこの国が舞台か明言しないところですよ。

ちなみに私は事前のネタバレでこの話は雁国らしいぜ...と知っていたので、どこで尚隆出てくるの!!ふんぬー!とずっとヤキモキしてました。

でもあまりに言及しないもんだから不安になりましたよね。あれ、記憶違いでこれ雁じゃないんだっけ...もしかして慶かしら...と。

そんなこんなで最後に

関弓!玄英宮!!

とおなじみワードが出てきたところで私スタンディングオベーション

(州の名前に詳しい人だったらもっと早くに気づいたのかしら)

まあ最後まで尚隆の名前も姿も出てこないんですけどね。きちんと尚隆が届けを聞き入れて、祈ってくれたんだなと分かるエンディング描写。粋だなあ〜と感銘を受けました。

尚隆もだけど、帷端も名前は直接出ないですが言及されていましたね。王に取り継いでくれそうな遂人が新たに就きましたようですよ、とさりげなく。

間接的にしか本人出てきてないのにエモみを感じるこの読書体験!!読んで良かった丕緒の鳥

 

④風信

こちらもあまり慶国であること明言されてなかったですかね。

女を国外に追放したり殺害して...という描写で先代の予王がやらかした後の慶国であるとわかります。

主人公の蓮花は疎開先の盧で暮らすことになりますが、そこでは暦を作る仕事を担っている官がいて、蓮花もその仕事を手伝うようになり。。

この暦作りっていうのが最初ピンと来なくて、カレンダー作ってるってこと?とか思っていたんですが、「この時期にこの農作物を植えて〜」とかかなり実用的な内容を盛り込んだカレンダーのようで。民が農業をして生活をしていくための必需品というわけでした。

作中に出てくる暦作りの作業?が地味で地味で...蝉の抜け殻をひたすら集めたり、遠く目標物がどのくらいの曇り度合いかをひたすら計測したり...
こういう職業って、昔は実際にあったんですかね?

地道な職業のお話なのであまり華やかな感じが終始続きますが、こういう下支えの仕事があって国が成り立っているということを感じさせる一編でした。

陽子が新王となって国は立て直されていくでしょうが、きっとこの盧での営みは変わらないんだろうなあと。

 

という感じで、陽子やら尚隆やらの影をささやかに感じる裏エピソード4編。私登場人物の名前すぐ忘れがちなので、②と③に関しては主人公の名前すら書いてないw

ですが本当に、それぞれがそれぞれの国で、役職に真摯向き合って生活をしている様というのが感じられて、より一層十二国記の世界をイメージすることができた気がします。

いつものメインストーリーでは王とか麒麟とか天に近いところ目線で見ることが多いので、どちらかというと地に近い職業を通じて見る国の風景は新鮮ですね。

とはいえやっぱりメインストーリーが気になって来ちゃいますのでね、ずずいと次のシリーズを読み進めていきたいと思います!

 

 

【感想】十二国記『風の万里 黎明の空』| 陽子イケメン具合に目覚めてしまう回

前作を読んで尚隆様!!な気分でこちら読みました。慶国メインの話だよなー、延王延麒出てくるかな〜泰麒はまあ出てこないだろなあ〜

という感じであまり慶国メイン話への期待感がなかったのですが、、

めっちゃ面白かったです結局!

今回は陽子の他にも主人公ポジションの女の子が2人出てきました。大木鈴と祥瓊。

鈴も祥瓊もちょっと性格ひん曲がってるというか、境遇が境遇なので仕方がないですが、特に上巻読んでいる辺りだと

この2人あんま好きじゃないなー

って感じでした。祥瓊なんて景王討つとか言ってましたしね。

一方の陽子は陽子で、こちらの世界を知らなすぎて官吏(そして景麒)からため息つかれる始末。延王は気長にやれや〜って感じで励ましてくれたけど(さすが治世500年の貫禄!格好いいね!)、陽子は真面目さんだから...
景麒も気が利かないしね!(泰麒にもっかい触発されてこいや!)

鈴も祥瓊も自分と同じ年頃の景王に会うという目的で慶を目指して、そして陽子も国を知るために里家に下って。

鈴は清秀、祥瓊は楽俊と、旅の途中で出会って自分を顧みる機会があって。

陽子も遠甫(スーパーお爺ちゃんでびっくり)に色々教えてもらって、王としての心持ち?を得ることができて。

とにもかくにも、同じ年頃の3人の女の子が、この慶国で巡り会えたのが本当にいい。

性格合わないんじゃないかと思ったけど、今後も仲良く関係性を保てそうで、ほんと陽子ちゃん良かったね!!

そして、そういえば上巻の最初で初勅に迷っていたなあということを思い出させる、エンディング。

伏礼を廃す、いいね〜!!!!

景麒もまじかよってなってるのがいいですね!!

そう、陽子と景麒の絡みも本作ですごく楽しませていただきました。

月の影の時は、ほぼ景麒は捕らえられてて陽子とのシーンはなかったですからね。

景麒が里家にいる陽子を訪ねて、恋人と勘違いされてるシーンとか。

これめっちゃ良きでした。新潮文庫の挿絵もいい。なんだかんだ仲良く?しているようで私は安心ですわよ。。

私は少女漫画脳なので、恋愛要素がちらつかされると盛り上がってしまうきらいがありますので。。

(たぶん十二国記って恋愛要素ほぼ無いんだと思ってます。だからこそ妄想がね、ちょっと捗りますよね)

それと!!私が読んでいて絶叫したシーンははい、やっぱりこちらですね。

陽子の言動から泰麒を思い出して、「かの国はあちらだろうか」と景麒が物思いに耽るシーン!!

不意打ちの泰麒!!

てか景麒、泰麒好きすぎるでしょ...

(読了後、しおりはそのページにしっかりと挿んでおります)

 

雁国の話を見てきて、やっぱり官吏って重要よね(主上を見下すことがあってもね)と思っていたので、陽子にも信頼のおける官吏が集まってくれて本当に良かった。気軽に話せるお友達もできたしね。

そして陽子は格好いい。月の影の時はあまり感じなかったけど、男っぽいぶっきらぼうな口調と相まって、すごく格好良くて好きになりました。

(シリーズのメインキャラクターを必ず好きになるの、ほんと自分ちょろいわ...)

慶もひとまず落ち着いて、この先はいくつか短編や番外編を読み進めてゆきます!

本作でもちらっと出てきた供王の珠晶ちゃん、今のところめっちゃイメージ悪いんですけど、「図南の翼」はかなり人気なようなので、どんな話か楽しみです。

【感想】十二国記『東の海神 西の滄海』| 一生雁国の話読んでいたいよ尚隆さま

普段は飄々としているけど、心の中には熱いものを持っている、そういうキャラクターっていいですよね。

私も例に漏れず、飄々としてるキャラクターすぐ好きになっちゃうんです、昔から。

私前回の感想で、最後にこう書いているんです。

風の海〜を読了後の気持ちとしては、ぶっちぎり泰麒が1位なのですが(個人の感想です)、他シリーズを読むことで私の中の推しにも変化は訪れるのでしょうか...

はい、1位変わりました。

小松三郎尚隆さまです〜!!

この十二国記というのは、読むたびに推しがどんどん増えていく系ファンタジーということですかね。

そもそも延王の登場回数が多いから、雛鳥の刷り込みみたいに勝手に愛着湧いてしまいますよね。月の影でも風の海でもいい感じで登場していたし...
まあ今回は延王が即位して20年くらいの話なので、泰麒はもちろん出てこない訳で。出てこない分、尚隆&六太に持っていかれますよね〜

王と麒麟の関係性としては珍しく、延麒は全く延王に対して遠慮なく物申すし、延王も全く気にする様子もない。まあ六太は誰にでも口が気軽ですが。

てっきりこの2人だけの独特な空気かと思いきや、部下の官吏からもめちゃくちゃボロクソ言われている尚隆よ。。

他の国には見られない破茶滅茶王宮?っぷりが楽しいですよね〜

官吏からしたら本当に溜まったもんじゃないでしょうけど。でもその鬱憤を直接受け止めちゃうところは尚隆の人徳と言いますか。

今回のお話で謀反は起こされるものの、その後500年くらいまで雁国は続くわけですから。

陽子が雁国に来る時にはすごく賑わいのある国になっていましたもんね。海客にもきちんと身分を与えてくれる。

尚隆は一国を守ることができなかった過去があり、六太は戦火による貧困で親に捨てられた過去があって、そんな二人だからこそ長い治世が実現できているのでしょうね。

神籍に入ると不老不死になるという設定、なんでかね〜と最初は思っていましたが、人間のたかだか数十年では一国をどうこうすることも難しいし、不老不死であることで成し遂げられる平和もあるだろうなと思いました。

雁国が全面主役の話はおそらくこの一冊だけなのかなと思いますが、他国から見た雁国はこれからもたくさん登場してくれるだろうと期待しています!

なんだかんだで仲良しな尚隆と六太。だてに500年一緒にやっちゃいないぜ感がとてもいい。六太のツンデレもありがとう!
最後の方の挿絵良いですよね...尚隆に頭ぽんぽんされてる六太...甘えたちゃん!実質33歳なのにね!!成獣になると成長止まっちゃう設定、万歳!身長差ありがとうございます!!

私このシーン電車で読んでたんですけど、めっちゃニヤニヤしてたわ。

コロナ禍でマスクしてるメリットって一番はこういうとこだったりする。